クロエコピー ELSIE/エルシー レザー 3S0666 223 185
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null「いい表現だな。抱き込んだ、か」  村井が笑った。別に悪意はなさそうであった。 「そう、抱き込んだ。抱いた、と言うべきかな」  伊沢は居直ったように無表情で言った。 「その北村裕子のそばに俺がいたのだから、偶然とは言えまい」 「梶岡はそれで納得したの」  京子は真剣な表情で尋ねた。 「北村裕子のあとをつけていたと言ってやった。梶岡は今の君たちのように、俺を馬鹿にしたような笑い方をしたが、とにかくそれで得心したよ。おそらく彼は、北村裕子を俺に押しつけてくるだろう。そして彼女と俺をひとまとめに利用する気さ。望むところだがね」  京子はじっと伊沢をみつめた。二人の男は驚きの表情を示して歩み寄って来た。 「こいつは凄い。伊沢氏にやってもらおうじゃないか」  村井が京子に言った。     2 「シダというのは何だい」  伊沢はさりげなく言った。 「パラダイスを求める人たちの暗号名よ」 「パラダイスだって……」