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miumiu 財布 2012春夏新作編集

 帝はもう床を出て衣服を改めておられる。 「山岡、いつもお前が一番早いな」  この前、皇居炎上の際の事を想い出された帝がそう言って微笑された。  その中、多くの人々が参内してくる。士官学校の兵たちもやってくる。  騒動は、予想外に早く片がついた。  鉄太郎が退出しようとすると、 「山岡、もうじき夜が明けるだろう。そのまま居ってはどうか」  と帝が言われた。鉄太郎が、 「は、何分この姿でございますから」  と、寝衣に袴の自分を指して苦笑する。 「一向構わぬではないか」 「は、しかし、余りに——」 「さようか。では一応、屋敷に戻るがよい。だが、お前の持っている刀は、ここに置いてゆくがよい」 「はっ」 「その刀があれば、いつもお前が側にいるようで心強い」  鉄太郎は言葉もなく、己れの刀を献上したが、それはその後、ずっと帝の御寝所に置かれていたと言う。  鉄太郎の死後、明治二十三年、帝は鉄太郎の嗣子直記を召され、  ——この刀は、お前の父の忠誠心の記念だ、大切にするがよい、
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