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プラダショルダーバッグ中古編集

[プラダ] PRADA カナパ 2wayバッグ ハンドバッグ 斜めがけ ショルダーバッグ B1877G 【中古】
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[プラダ] PRADA 斜めがけ ショルダーバッグ BT470A【中古】
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[プラダ] PRADA ショルダーバッグ ハンドバッグ 【中古】
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[プラダ] PRADA ワンショルダーバッグ 黒系 (NERO)ブラック レザー BR4755 [中古]
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[プラダ] PRADA チェーン ショルダーバッグ ブラック カーフレザー BR4370【中古】
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[プラダ] PRADA 2WAY ショルダーバッグ シルバー レザー [中古]
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「かげろうの術」とはどんなものだったか、その説明は忘れてしまった。私が憶えているのは、一刀斎がアメリカ軍のピッチャーに剛速球をほうりこまれると、めずらしくもこれをカラ振りしてしまう。そこで彼は審判に、「お待ちくだされ」といって何とハチマキで自分の眼をかくしてしまうのである。そして全選手、全観衆がアッケにとられている中で、目かくしのまま見事に大ホームランを打ってしまうのであるが、私はこの一刀斎の目かくしを、五味はどうやら夏の海岸の西瓜割《すいかわ》りから考えついたように思う。つまり、バッターが目かくしをすると、野球のボールが西瓜のような大きさで、しかも静止したままで見えてくる、というように……。  しかし、もっと傑作なのは、その一刀斎が打撃専門で、守備には絶対につかえないということだ。手に棒切れを持っていれば、どんなものでも打ち返すかわり、素手のときには身を翻してよける訓練をつんできた一刀斎は、守備につくと自分の方へ球が飛んでくるたびに、さっと身をかわしてしまって、水原がどんなに熱心に捕球を教えこんでみてもムダであったというのである……。おそらく五味は子供の頃、野球を見るのは大好きだが、飛んでくるタマが怖《こわ》くて自分で野球をする気にはどうしてもなれないタチだったのかもしれない。そのかわり、自分一人でこっそりと、ああ野球のマリが西瓜ぐらい大きくて、もっとゆっくり飛んで来てくれたら、なんぼでもホームラン打ててええのンやけどなア——、としきりに空想にふけっていたのではないか。  ふわりふわり、と透明人間が透明になりそこなったように歩く五味の体つきから、何となくそういう孤独な少年の姿が浮んでくる。ステレオとテープ・レコーダーに熱中して、部屋中を電気のコードだの、真空管だの、ヤットコだの、ソケットだのでいっぱいに散らかしたなかで、弦楽器、管楽器、長唄《ながうた》、地唄《じうた》、童謡など、ありとあらゆる音を取りかえ引きかえ鳴らしている五味を見ていると、やはり一人で蔵の中で遊んでいる子供を憶《おも》い出す。傍《はた》で見ていて、何が面白いのかわからないが、とにかく一人で何時間でも平気でジッとしていて、話し掛けてもロクに返辞もしない、それでいてときたま口をきくと大人のギクリとするようなことをいう……。  ところで私が、最近つづけざまに五味の家へ遊びに行ったのは、このステレオのためだ。十年ばかりも前にも一度、私は深夜に五味の家を訪問したことがあり、壁をブチ抜いてつくったホラ穴のように巨大なスピーカーをきかせてもらうつもりだったが、このときは遠藤周作、吉行淳之介、近藤啓太郎、その他大勢が銀座のバアの女給さんたちと一緒に押し掛け、れいによって遠藤が、五味の八ミリ・カメラを見るや、いきなり、 「おれを主演にエロ映画をとってくれ……。題名は『ハーレムに捕われた美しい男』、おれがその美男になって、欲望に飢えた女たちに襲われる役になるからさア」  女給さんたちに片はしから跳びついてハシャギだしたので、とてもレコードをきくどころではなかった。五味によれば、そのときの遠藤の活躍ぶりは遠藤の知らぬうちに全部、八ミリ・カメラで実際に撮影してしまった由で、 「将来、もし遠藤が芸術院会員になる運動でもやり始めるようなら、このフィルムを文部大臣と芸術院院長のところへ届けんならん」  ということだったが、そのフィルムは果してどうなったか、もし本当に遠藤の顔や姿がうつっていたら、これは見ものだ。とにかく十年ぶりに五味の家へ出掛けたが、私はフィルムのことを訊《き》くのを忘れ、五味もその話はしなかった。おたがいにあの頃とそんなに変らないつもりでいても、もうあんな馬鹿騒ぎは話題にするのも忘れるほど、遠い昔のことになってしまったのだろうか?  私たちは、女の話をするかわりに、犬の話になった。五味も最近、紀州犬を飼いはじめたので、近藤にそのことを話し、一度見に来てくれとたのんだが、近藤はその犬の血統書に出ている犬の名前をきいただけで、 「それはダメだ。おまえはダマされたんだよ」  と言下にきめつけて、見にも来ないという。五味にしてみれば、それは友達|甲斐《がい》もない返辞だったに違いない。 「ほんまに近藤は日本犬のこと、よう知っとるのかな」  と、しきりに首をかしげていた。 「それは、おまえがステレオのことに詳しいのと同じぐらい、近藤は犬のことを知ってるよ」  私は前に、自分の買ったステレオのことを五味に話したところ、「そんなもん、あかんな」とアッサリいわれて腐ったことがある。しかし勿論、五味の方ではそんなことは覚えているわけがない。彼は話題を犬からステレオにかえた。私は最近とりかえた新しい機械のことを話した。 「うーん、おまえもだいぶ、オーディオのこと、わかってきよったな——」と、五味は総髪の髪を片手でかき上げながら、私の顔を薄目をあけて見やり、「ま、そのへんまでわかってくれば中学生というところや。しかし、きみが中学生なら、ぼくは大学院やからな」  五味がいかにステレオの泥沼で苦労したかは、すでに良く知られている。五味のステレオ道楽歴の長さは、じつは大学院の博士課程の数倍にも及ぶであろう。しかし、そういう五味の風姿はドクター・コースの万年学生のそれではなく、塚原|卜伝《ぼくでん》がさっと鍋《なべ》ぶたを突き出して、
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