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2015-02-04 23:09    クロエsamキーケース
 「ことばもアイヌぶりも、みんな和人に取られてもか」  松井がむっとした顔で言ったが、  「汽車が走ったり、飛行機が飛んだり、文明の進歩は、何といっても一番大事だからな」  森山は誇らしげに言った。口論に結末をつけた言い方だった。  開拓百年の記念事業は予定通りに進められていた。札幌では郊外の丘陵地に「記念塔」が、また旭川では「風雪の群像碑」の製作が始まっていた。  記念碑は札幌を見下ろせる高台にあって、塔の高さはちょうど百メートルあった。また、群像碑は、北海道探検に遣わされた江戸幕府の武士が、アイヌの案内人を従えて山野を跋扈(ばつこ)する像だった。その像がまだ製作中に、アイヌたちからチャランケ(反論)がついた。  アイヌたちは、ウタリ協会長向田岩太郎を先頭に「開道百年記念事務局」へ押しかけ、  「アイヌの案内人が蹲っているのは、アイヌに対する侮辱だ、直ちに変更してほしい」と抗議した。しかし、事務局長は「製作者の意志を尊重して」と言って、取り合ってはくれなかった。  「俺たちの手で、このアイヌモシリで雄々しく戦い、潔(いさぎよ)く死んで行ったシャクシャインの力強い碑を造りたいもんだ」と、ヌップは言った。  「アイヌモシリの復活に賭けてな」  向田岩太郎を先頭に事務局に押しかけてから、ちょうど一週間ほど経った日の朝、孝二は新聞を見て驚いた。  「風雪の群像凶漢に襲われる」という三段抜きの大見出しが載っていた。風雪の碑が何者かに襲われ、刃物で傷つけられた上、公園に横倒しにされていた、という記事だった。  最初に、「風雪の群像」に抗議して事務局に押しかけたアイヌたちが取り調べを受けた。事件のあった晩、孝二はちょうど学校の宿直だった。  警察が孝二を学校に訪ねてきたのは、その日の昼ころだった。  「犯人はアイヌと踏んでいるんだ。必ず挙げてやる」  若い警官は意気込んでいた。孝二は気がかりで、その日の放課後ヌップの仕事場を訪れた。  「愉快なことをやってくれたもんだ」と言って、ヌップは豪快に笑った。  「犯人は?」