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2015-02-04 22:07    財布作り方
「取り戻すって、もともとあんたのもんじゃないだろう」  滝野は呆れ顔で言った。 「元の奥さんが持ってた本に、なんでそこまで執着するんだ?」 「結婚する時、わたしが妻に贈った本だったんです。指輪と一緒に」  しばらくの間、誰も口を利かなかった。  盗み出してまで手に入れたかった本を、あっさり返しに来た理由がなんとなく分かった。結婚の記念の品を取り戻したところで、大した満足は得られなかったのだろう。この男が取り戻したかったものは、たぶん本の形をしていない。 「『たんぽぽ娘』は、十年前にこの店で買ったものなんです……あなたのお母さんに薦められて」 「えっ」  栞子さんは目を丸くした。 「母が、薦めたんですか。父ではなくて」 「はい。婚約者に贈る本を探していると言ったら『たんぽぽ娘』がいいとおっしゃっていました。『わたしも結婚する時に、この本を夫にあげたのよ』と……」  俺は昨晩居酒屋で聞いた話を思い出していた。結婚する時に妻から贈られた本を、妻が出て行った後も読み返す――怒りからそんなことをするとは思えない。妻がいた時のことを懐かしむために、本を開いていたんじゃないのか。 「結局、小説みたいには、うまくいきませんでしたね……」  本を返しに来た男は、低い声でつぶやいた。         8 『たんぽぽ娘』を読み終えるのに、一晩かからなかった。「体質」のせいかいくらか目まいに襲われたが、読んでよかったと思える内容だった。気付かないうちに、別々の相手に薦める母娘《おやこ》がいても不思議ではない。